#85 メンタルヘルスにおける対立

#85 メンタルヘルスにおける対立

古代の中国哲学にルーツを持つ陰陽は、相反するものの調和を象徴します。例えば光と闇、動きと静寂、与えることと受け取ること、などがそうでしょう。バランスとは「どちらか一方を選ぶのではなく、意識して両方の間を流れるようにする方法を学ぶことである」と思いださせてくれます。

メンタルヘルス啓発月間を迎えるにあたり、現代的なレンズを通じて、この時代を超越した思考を振り返ってみましょう。 今日のあなたにとって、「感情のバランス」とはどんなものでしょうか?今週号では、一見対立しているようにに見えながらも、私たちの中で日々共存する3つのトピックを探っていきます。今回のアジェンダはこちらです:

🛡️ 境界線と所属

🌊 静寂と動き

💗 深く感じることと日常生活を送ること

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🛡️ 境界線と所属

フローレンス・アンド・ザ・マシーンのフローレンス・ウェルチは、自身の楽曲「ハンガー」で、次のように歌っています。

これを表面的に分析するとしたら、彼女の摂食障害について歌っているように聞こえるかもしれません。彼女は実際は十代のころ、この状況を経験しました。しかし彼女に言っている「飢え」」とは、文字通りの飢えではありません。自分に欠けているもの、したい経験、そして愛されること、所属することに対する飢えなのです。

さて、心理学や生物学の分野には、「ホメオスタシス(恒常性)」という概念があります。

これは感情や認知のバランスを保とうとする心の原動力のことで、体温や血糖値を調節するのと似ています。

それによって、食べるべきタイミング・やめるべきタイミングや、休息が必要なタイミング・動くべきタイミングが分かります。そして同様に重要なのは、私たちが繋がりを必要とするタイミング・境界線を必要とするタイミングです。

フローレンスの「飢え」の概念と同じように、自分自身の声に耳を傾けたり、楽に動いたりすることが難しくなるタイミングもあります。原始的と思われるかもしれませんが、逆にこの飢餓感が目をくらませて、こうしたバランスに影響を与える多くの行動や態度を受け入れ、促進し、真似させることもあります。

では、どうすれば「ハングリー」になれるものを追求しつつ、人生に必要なバランスを保てるのでしょうか?そんな疑問が浮かんだ時は、「自分が何にイエスと言っているのだろう?」チャレンジをしてみましょう。

一週間、一日の終わりに数分間、静かに自分の一日を思いやりと共に振り返ってみてください。そしてペンと紙を用意するか、メモアプリを開きましょう。それから、次の質問を自分に投げかけてみてください:

自分が今最も欲しているものは何だろう?
(繋がり、休息、認めてもらうこと、静けさ、興奮、などなど…)
ジャッジすることなく、挙げてみましょう。

今、自分を犠牲にして「はい」と言っている部分はどこだろう?
(自分の時間、エネルギー、境界線について考えてみてください。何に対して過剰に与えたり、過剰に取り組んでいるでしょうか?)

親切で自尊心のある「ノー」とは、どんなものだろう?
(自分の感情のバランスを守るために、何を手放せる?あるいは、穏やかに断れる?)

自分のウェルビーイングをサポートするため、明日から設定できる小さな境界線は何だろう?
(特定の時間を過ぎたらメッセージに答えない?予定のない週末?毎日15分の不可侵な休憩?)

1週間続けてみると、あなたのパターンに気づくかもしれませんが、答えをジャッジしないようにしましょう。あなたがあることをしたり、しなかったりする理由はたくさんあります。今この瞬間に重要なのは、自分のニーズを通り越さずに、誠実で健全な繋がりに目を向けることです。

🌊 静寂と動き

日々の生活にはリズムがあります。潮の満ち引き、努力と安らぎ…。でも現代生活はよく、私たちを絶え間ない動きへと駆り立てます。私たちはより速く、より多く、より先に進むように、日々情報を受け取っているのです。そしてAIが台頭する現在、外的な状況がスローダウンしていくのには、まだしばらく時間を要するかもしれません。

対照的に、静寂は私たちを、自分らしく戻るように誘います。内側から十分にスローダウンするために、ノイズの下にあるものに耳を傾けるために。そしてその静寂の中にこそ、明晰さが顔を覗かせてくるのです。

一方、身体的・精神的・感情的にも、動くことは私たちが成長し、癒され、可能性を探求する方法です。意識して動くことで、私たちは再び、自分の強さと繋がれるのです。

どちらの部分も必要なものですが、片方に長く留まりすぎると厄介なことになります。では、肉体的にも感情的にも、静と動のバランスを取るにはどうすればよいのでしょうか?

答えはこうです:「8分間の自分の時間」を取るのです。

ハーバード大学医学部の研究によると、マインドフルネスを毎日8分間行うだけでも、不安は大幅に軽減され、感情調節もにも役立つのだそうです。
私たちの提案はこうです:1カ月の中で1週間を選び、毎日8分以上、動と静の両方を実践するのです。

1. アプリで新しい5月の歩数チャレンジを見つける(メインページの「チャレンジ」タブ)
2. チャレンジに参加して友だちも誘い、さらに楽しみながらお互いをサポートする。(右上の「...」ボタンをタップ)
3. 毎日できるだけ意識して歩き(空気、音、気温、靴の感触にも意識を向ける)、リーダーシップボードをチェックする。
4. 家に帰ったら、短いマインドフルネスを行ってから一日を終える!(ガイダンス有/無しでもOK。10分間の雨音に耳を傾けたり、呼吸法を始めたり、好みのものを選んでみましょう。)
5. そのあとの自分の感じ方を比べてみると、人生でいつ静止し、いつ動くべきかを学んだことに、きっと気づくことでしょう。

💗 深く感じることと日常生活を送ること

タイトルに表されている内容は、恋人と別れた後、一番難しいことのひとつだと思いませんか?他にも親しい人が病気になったとき、愛犬が行方不明になったとき、そして(もっとポジティブに言えば😅)結婚したときや懸賞に当たったときにも、似たような感覚になることでしょう。

感情はそのコアな部分は抽象的なものかもしれませんが、いわゆる情報です。何が重要なのか、どこで傷ついているのか、何に関心があるのかを教えてくれているのです。しかし、私たちはよく、生産性という名のもとに、感情を抑制するべきというプレッシャーを感じます。

私たちは常々、言葉では言い表せないものを感じ、それを隠そうと必死になっているのです。一日をやり遂げるために。

しかし感情的な気づきとはただの気晴らしではなく、共感・回復し、集中しながら困難を乗り切るためのスキルだなのかもしれません。

心理学者のスーザン・デイヴィッドは、これを「エモーショナル・アジリティ」と呼んでいます。これは感情にとらわれることなく、ありのままの感情でいられる能力のことです。

エモーショナル・アジリティとは、感情に影響されないことではありません。常に感情に動かされるのではなく、感情とともに動くことなのです。こうしたバランスを取りたいと思ったら、以下のヒントを参考に、日常生活でエモーショナル・アジリティを養ってみましょう:

1. 感じたことに正直になって、名前をつけてみましょう。
感情に名前をつけてみましょう。単に「悪い」とか「いい」ではなく、もっと正確なものを思い浮かべてみてください。「私は失望している?悲しい?罪悪感がある?恥ずかしい?希望がある?興奮している?」など、自分に問いかけてみましょう。

2. 判断を手放す。
どう感じるべきかを自分に言い聞かせるのはやめましょう。感情はメッセンジャーであり、間違いではありません。物事がうまくいっているときでも、悲しんでもよいのです。もし他の人がそうではない時も、あなたは喜びを感じてもよいのです。

3. 反応するのではなく、好奇心を持つ。
聞いてみましょう:これはどこから来ている?これは何を指しているのだろう?私は今、何を必要としている?感情を押し殺したり、感情に振り回されたりするのではなく、一度立ち止まって耳を傾けてあげましょう。

4. 自分の価値観に沿った対応を選ぶ。
衝動的に反応するのではなく、意図的に行動してみる。例えば 「圧倒されそうだから、1時間携帯電話から離れる。」 あるいは、「繋がりを感じられないので、信頼できる人に連絡する」など。

5. セルフコンパッションを実践する。
あなたは自分が知っていること、感じていることに対し、ベストを尽くしています。そして、それが大切なのです。友人に優しく接する時と同じように、自分に接しましょう。

自分が感じることをいつもコントロールすることはできません。でもその感情をいかに優しく、賢く受け止めるかは選べます。それこそが、エモーショナル・アジリティなのです。

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喜びと悲しみ。休息と努力。孤独とつながり…。その両方を学んで持ち続けることの中には、静かな強さがあります。

一つ覚えておいてほしいことがあります。それは、「メンタルヘルスとは、直すべきものではなく、育むべき関係である」ということです。一度にひとつの境界線、ひとつの呼吸、ひとつの勇敢な気持ちを意識してみましょう。

私たちは一歩一歩、あなたとともに歩んでいます。それでは、また来週!

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「受け取った反応が、私の幸福のために必要なステップを踏む力を与えてくれました。本当にありがとうございます。」

User avatarオリビア・デイヴィス

「私の問題に対する真摯な関心を示してもらい、とても大切にされていると感じました。最近では、あなたが一番の支えでした。」

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